第7回 テレビ登場と映画

*注釈*
※1高度経済成長期

日本経済が飛躍的に成長を遂げた1954年から1973年までの19年間を指す。1960年代には東京オリンピックの開催やベトナム戦争、1970年に開催された大阪万博などによる特需があり、1968年には国民総生産(GNP)が資本主義国家の中で第2位に達した。この経済成長は世界的に見ても稀な例であり、終戦直後の復興から続く一連の経済成長は「東洋の奇跡」と言われた。また、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の3種類の家電製品は三種の神器と呼ばれ、急速に家庭に普及していった。


※2『南極物語』

1958年公開。フジテレビが初めて製作した映画。監督は蔵原惟繕。高倉健、渡瀬恒彦出演。南極観測隊が悪天候に阻まれ、やむなく南極の地に置き去りにしてきた十五匹のカラフト犬の生への闘いと、観測隊員たちの姿を描く。


※3『ビルマの竪琴』

1985年公開。監督は市川崑。中井貴一、石坂浩二出演。フジテレビジョン・博報堂・キネマ東京 提携作品。日本兵の霊を慰めるため、僧侶となってひとりビルマの地に残る兵士の姿を描く。竹山道雄の同名小説の29年ぶりの再映画化。脚本の和田夏十と、監督は前作(1956年版)と同じコンビ。


※4ホイチョイ三部作

『私をスキーに連れてって』(1987年/原田知世主演)『彼女が水着にきがえたら』(1989年/原田知世主演)『波の数だけ抱きしめて』(1991年/中山美穂主演)の三作で、いずれもホイチョイ・プロダクションズ製作。松任谷由実を起用するなどし、特にバブル景気前後として数々の流行を生み出した。


※5『Love Letter』

1995年に公開。監督は岩井俊二。中山美穂、豊川悦司出演。天国の恋人に向けて送った一通のラヴレターがきっかけで、埋もれていた二つの恋が浮き彫りになっていくラヴ・ストーリー。モントリオール世界映画祭観客賞他多数受賞。


※6『踊る大捜査線 THE MOVIE』

1998年公開。監督は本広克行。織田裕二、柳葉敏郎出演。ヒットドラマとなった『踊る大捜査線』の劇場版として製作され、同年の日本映画に於ける興行成績トップを記録した。又、日本アカデミー賞に於いてはいかりや長介が最優秀助演男優賞を受賞した。


※7ぴあフィルムフェスティバル

「新しい才能の発見と育成」「映画の新しい環境づくり」をテーマに、毎年東京で開催されている映画祭。原型は、1977年に東映大泉撮影所にて開催された「第一回ぴあ展」の一企画、〈映像部門〉「第一回自主映画展」で、当時は雑誌「ぴあ」を通じて公募した作品をぴあスタッフが審査し、オールナイト上映する企画だった。1979年「Off Theater Film Festival」と名称を改めるが、第4回目開催の1981年より現在の「ぴあフィルムフェスティバル」に改名され、定着した。


※8森田芳光監督(1950年〜 2011年)
1981年に『の・ようなもの』で、長編映画監督デビュー。以降、シリアスなドラマから喜劇、ブラックコメディー、アイドル映画、恋愛映画、ホラー映画、ミステリ映画と幅広いテーマを意欲的に取り扱い、話題作を数多く発表する。幼少の頃から好きだった鉄道を題材に、オリジナル脚本で挑んだ『僕達急行 A列車で行こう』(2012年3月公開)が遺作となる。


※9中島哲也監督(1959年〜 )

1988年『バカヤロー! 私、怒ってます 第二話 遠くてフラれるなんて』で劇場映画監督デビュー。『下妻物語』(2004年)で注目を浴び、その後『嫌われ松子の一生』(2006年)、『パコと魔法の絵本』(2008年)、などのヒット作を生んでいる。『告白』(2010年)では第34回 最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞。


※10成島出監督(1961年〜 )

1986年、監督作『みどり女』でぴあフィルムフェスティバルに入選し、以後、助監督として相米慎二監督、平山秀幸監督らに師事する。『フライ,ダディ,フライ』(2005年)、『クライマーズ・ハイ』(2008年)、孤高のメス (2010年)、『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 (2011年)など数々の話題作を手掛ける。『八日目の蝉』 (2011年)では第35回 最優秀監督賞を受賞。

※11矢口史靖監督(1967年〜 )

PFFスカラシップを獲得し、16ミリ長編『裸足のピクニック』(1993年)で劇場監督デビュー。『ウォーターボーイズ』(2001年)では第25回日本アカデミー賞には優秀脚本賞、優秀監督賞にノミネートされる。その後『スウィングガールズ』(2004年)で第28回日本アカデミー賞では、最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞・話題賞等の5部門を受賞し、映画監督として地位を確立した。


※12ヴェネツィア国際映画祭

イタリアのヴェネツィアで、毎年8月末から9月初旬に開催される映画祭。カンヌ国際映画祭・ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつ。1982年、50周年記念行事で歴代グランプリ作品中最高の作品「獅子の中の獅子」栄誉金獅子賞 (Career Golden Lion) に黒澤明の『羅生門』が選ばれた。2005年には宮崎駿に、優れた業績を表彰するために栄誉金獅子賞が贈られている。

※13塚本晋也監督(1960年〜 )

1988年、『電柱小僧の冒険』でPFFアワードのグランプリを獲得。翌1989年、制作費1000万、4畳半のアパートで廃物のSFXと少数のスタッフで制作された『鉄男』が、ローマ国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞。2003年公開の『六月の蛇』は、ヴェネツィア国際映画祭コントロコレンテ部門審査員特別賞受賞。


※14『HANA-BI』

1998年公開。監督は北野武。ビートたけし、岸本加世子出演。妻や同僚の生と死、そして妻との逃亡を敢行する一人の孤独な刑事の人生模様を描く。第54回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作品。金獅子賞を受賞した日本映画は『無法松の一生』以来40年ぶり。長く邦画が禁制であった韓国で初めて公開された日本映画。


※15『うなぎ』

1997年公開。監督は今村昌平。役所広司、清水美砂出演。不倫した妻を殺害して以来人間不信に陥り、ペットである鰻にだけ心を開きながら静かに理髪店を営む中年男性と、自らの境遇を嘆き自殺を図った女性との心の交流を描く。第50回カンヌ国際映画祭において作品賞に相当するパルム・ドールを受賞。今村監督は『楢山節考』に続き2度目のパルム・ドール受賞となった。


16カンヌ国際映画祭

1946年にフランス政府が開催して以来、毎年5月にフランス南部コート・ダジュール沿いの都市カンヌで開かれている世界で最も有名な国際映画祭の一つ。併設されている国際見本市(マーケット)もMIFED、American Film Marketと並び世界三大マーケットのひとつであり、例年800社、数千人の映画製作者(プロデューサー)、バイヤー、俳優などが揃い、世界各国から集まる映画配給会社へ新作映画を売り込むプロモーションの場となっている。世界三大映画祭と世界三大マーケットが同時に開催されるのはカンヌだけであるため、世界中のマスメディアから多大な注目が集まり、毎回全世界から数多くの俳優、映画製作者が出席する。


※17『生きたい』

1999年公開。監督は新藤兼人。三國連太郎、大竹しのぶ出演。姥捨て山伝説と現代の高齢化社会における老人がおかれた現状を交錯させユーモラスなタッチで描いた“老い”がテーマの社会派人間ドラマ。


※18モスクワ国際映画祭

ロシアのモスクワで2年に1度開かれる映画祭。国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の長編映画祭で、世界四大映画祭のひとつ。


※19『千と千尋の神隠し』

19622001年公開。宮崎駿監督。10才の少女の異世界での冒険を、独創的かつ圧倒的なイマジネーションで描いた傑作。興行収入304億円、観客動員数2300万人越えという、『タイタニック』や『東京オリンピック』を追い抜いた日本国内の映画興行成績における歴代トップの記録を打ち立て、2011年現在も『千と千尋の神隠し』(1位)・『ハウルの動く城』(2位・196億円)・『もののけ姫』(3位・193億円)と、トップの座を維持している。ベルリン国際映画祭、アカデミー賞をはじめ日本国内外の多くの賞の栄冠に輝いた。


※20ベルリン国際映画祭

ドイツのベルリンで毎年2月に開催される国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭。世界三大映画祭のひとつ。他の映画祭と比べると社会派の作品が集まる傾向があり、近年は新人監督の発掘に力を注いでいる。


※21アカデミー賞

アメリカ映画の健全な発展を目的に、キャスト、スタッフを表彰し、その労と成果を讃えるための映画賞。アカデミー賞は授賞式前年の1年間にアメリカ国内の特定地域で公開された作品を対象に選考され、また映画産業全般に関連した業績に対して授与される。その知名度と世界三大映画祭よりも古い歴史を持つ権威ある賞であるため、マーケットへの影響力は国際映画祭の各賞以上に大きく、受賞結果が各国の興行成績に多大な影響を与える。


※22『おくりびと』

2008年公開。本木雅弘、広末涼子出演。遺体を棺に納める納棺師となった男が、多くの別れと対峙する人間ドラマ。人生の最期に必要な職業を通して、家族や夫婦愛のすばらしさを描く。第81回アカデミー賞外国語映画賞、および第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。


※23『つみきのいえ』

2008年に発表された加藤久仁生監督による日本の短編アニメーション映画。水に沈みゆく街にある積木を積み上げたかのような家で暮らす老人を通して、人生というものを象徴的に描く。第81回アカデミー賞において邦画初となる短編アニメ映画賞を受賞。


※24『誰も知らない』

2004年公開。是枝裕和監督。柳楽優弥、北浦愛出演。1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、是枝裕和監督が15年の構想の末、満を持して映像化した作品である。母の失踪後、過酷な状況の中幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じて家族や周辺の社会のあり方を聴衆に問いかけた。日本国内においては、主演の柳楽優弥が2004年度のカンヌ国際映画祭において史上最年少及び日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得したことで大きな話題を呼んだ。また、キネマ旬報やフランダース国際映画祭において最優秀作品賞を獲得するなど、国内外の映画賞を多数獲得した。


※25『キャタピラー』

2010年公開。監督は若松孝二。寺島しのぶ、大西信満出演。『ジョニーは戦場へ行った』と、江戸川乱歩の短編小説『芋虫』をモチーフにしたオリジナルストーリーで、戦争に翻弄された1組の夫婦の姿を通して戦争がもたらす愚かさと悲劇を描く。2010年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品し、寺島しのぶが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した。(日本人の同賞受賞は1964年の左幸子、1975年の田中絹代に次ぎ35年ぶり)


※26モントリオール世界映画祭

毎年8月下旬から9月初頭にかけてカナダのモントリオールで開かれる国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭。1977年から開催されており、トロント国際映画祭と並び北米最大規模の映画祭。


※27『悪人』

2010年公開。監督は李相日監督。妻夫木聡、深津絵里出演。吉田修一の同名小説を映画化した人間ドラマ。殺人事件を起こした孤独な男と、彼と共に逃避行に及ぶ女との狂おしい愛を描く。モントリオール世界映画祭ワールド・コンベンション部門に正式出品され、深津絵里が最優秀女優賞を受賞。


※28『リング』

1998年公開。監督は中田秀夫。松嶋菜々子、真田広之出演。見た者を1週間後に呪い殺す「呪いのビデオ」の謎を追う、鈴木光司の同名小説「リング」を原作とする映像化作品。日本国外では映画版の内容を基にしたリメイク映画も製作されており、1999年には日韓合作による韓国映画『リング・ウィルス』が、2002年にはドリームワークスによるアメリカ映画『ザ・リング』が公開された。


※29『世界の中心で、愛をさけぶ』

2004年公開。監督は行定勲。大沢たかお、柴咲コウ出演。片山恭一のベストセラー小説を映画化。原作で描かれた恋人の死に対峙する高校生時代に、成長した主人公の現在の恋を織り交ぜてつづる。映画化の後、テレビドラマ化、2005年に舞台化された。平井堅が歌う映画主題歌も同年のオリコンシングルチャート年間1位、「セカチュー」と略され流行語にもなり、「セカチューブーム」として社会現象になった。


※30『梟の城』

1999年公開。監督は篠田正浩。中井貴一、上川隆也出演。梟と呼ばれる忍者としての誇りをかけ、秀吉暗殺に乗り出した伊賀者の生き様を描いた時代活劇。


※31『御法度』

1999年公開。監督は大島渚。ビートたけし、松田龍平出演。司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」が原作。幕末の京都を舞台に、新選組を男色の視点から描いた時代劇。


※32『どら平太』

2000年公開。監督は市川崑。役所広司、浅野ゆう子出演。巨匠、市川崑が、かつて黒澤明監督らとともに温めていた念願の企画を実現。山本周五郎の小説「町奉行日記」をもとに、異色ヒーローの活躍を描きだす痛快時代劇。


※33『たそがれ清兵衛』

2002年公開。監督は山田洋次。真田広之、宮沢りえ出演。藤沢周平の人気時代小説を「男はつらいよ」の山田洋次監督がリアルに映画化。幕末を舞台に、名もない下級武士の正直な生き方と、家族の絆をしみじみと描く感動作。

 

※34『必死剣鳥刺し』

2010年公開。監督は平山秀幸。豊川悦司、池脇千鶴出演。藤沢周平による“隠し剣”シリーズの中でも評判の高い同名作を映画化した人間ドラマ。自らの正義を貫こうとする武士が政治的策謀に翻ろうされていく姿を描く。


※35『十三人の刺客』

松2010年公開。監督は三池崇史。役所広司、山田孝之出演。1963年の傑作時代劇を豪華キャストとともに再映画化。300人もの敵勢力にたった13人で戦いを挑む命知らずな男たちの姿を描き出す。


※36『武士の家計簿』

角2010年公開。監督は森田芳光。堺雅人、仲間由紀恵出演。磯田道史の歴史教養書「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を映画化。激動の幕末で、“算盤さむらい”と呼ばれ、加賀藩の算用者として財政に関わる下級武士と、その妻とが慎ましく生きる姿をつづる。

※37『最後の忠臣蔵』

2010年公開。監督は杉田成道池。役所広司、佐藤浩市出演。宮彰一郎の同名小説を映像化した時代劇。“忠臣蔵”として有名な赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件前夜に逃亡した瀬尾孫左衛門と、大石内蔵助よりとある命を受けた寺坂吉右衛門の二人に課せられた宿命を生々しく映し出す。


※38『Shall we ダンス?』

1996年公開。監督は周防正行。役所広司、草刈民代出演。平凡なサラリーマンが社交ダンスと出会って生きる喜びを見出す姿を描く。1996年の邦画第2位を記録。[1]また、海外においても19ヵ国で公開され高い評価を得ており、米国においては200万人を動員。2004年には、ピーター・チェルソム監督、リチャード・ギア主演によるリメイク『Shall We Dance?』が制作された。


※39『ラスト・サムライ』

2003年公開。監督はエドワード・ズウィック。トム・クルーズ、ティモシー・スポール出演。渡辺謙、真田広之ら日米の豪華キャストが集結して贈る話題の歴史スペクタクル。日本の侍たちの生き様に感銘を受けたアメリカ人の心の変化を描き出す。渡辺謙や小雪、真田広之、小山田真などを含め、日本の俳優が海外に進出する一つの契機を築く作品となった。また、渡辺謙はこの作品でゴールデングローブ賞助演男優賞、ならびにアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。


※40『SAYURI』

監督はロブ・マーシャル。チャン・ツィイー、渡辺謙出演。1929年、世界恐慌の折、貧しい漁村の9歳の少女、千代が京都・祇園を模した架空の町の花街の置屋に売られ、厳しい生活の中で人気芸者に成長していく姿を描く。第78回アカデミー賞で6部門ノミネートされ、3部門で受賞。


※41『硫黄島からの手紙』

2006年公開。監督はクリント・イーストウッド。渡辺謙、二宮和也出演。スピルバーグを製作に迎えた戦争映画。『父親たちの星条旗』に続く、第二次世界大戦における硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた「硫黄島プロジェクト」の日本側視点の作品。イーストウッド監督が出演を直訴した渡辺謙を除き、全員がオーディションで選定された。二宮和也 、加瀬亮 、伊原剛志 、中村獅童 などの俳優が日本から起用されている。


※42デジタル3D映画

2005年公開の『チキン・リトル』においてデジタル上映による3D映画が初登場し、それ以降ハリウッドで多数の立体映画が製作されるようになった。また、ヒットシリーズの最新作を3Dで製作したり、過去の映画のリメイクを3Dで製作したり、過去のヒット映画を2D-3D変換した3D版を劇場公開したりなど、製作本数・興行成績などで3D映画の存在感が増している。日本映画における初めての3Dデジタルシネマ『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』。

 

 

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